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【対談企画】「プラなし博士」に聞く。環境問題のホント。-第4回 プラから紙への代替①-

2020/03/23CSR> 紙で環境対策

現在、世界中でプラスチック製品が溢れ、海洋プラスチックごみや地球温暖化といった環境問題が、毎日メディアを賑わせています。これらの問題に対応する為、日本では2020年7月よりすべての小売店で、プラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられます。人類に多大な恩恵をもたらしてきたプラスチックという素材は、今まさに岐路に立たされています。
紙製品を取り扱う我々大昭和紙工産業は、「紙化プロジェクト」と題して、プラスチック製品の紙代替を推進しています。今回は、海洋環境や海洋科学技術の調査・研究を行っている「国立研究開発法人海洋研究開発機構」の研究員・博士の中嶋亮太氏に、今叫ばれるプラスチック問題やその対策について詳しく伺い、大昭和が進める紙化プロジェクトについて、ご意見を頂戴しました。
中嶋博士(以下:中嶋)と当社紙で環境対策室の田中による対談形式で、全5回に渡って環境問題のホントをお伝えしていきます。

 

第4回 「プラから紙への代替①」

前回までに、今叫ばれるプラスチックゴミ問題や、それに対策するバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックについて伺ってきました。
今回、そして次回(最終回)の2回に渡りプラスチックから紙への代替についてディスカッションしていきたいと思います。

 

レジ袋有料化のホント

【田中】
世界各国でレジ袋の使用禁止や有料化といった規制が施行されている中、日本でも2020年7月から全国の小売店でプラスチック製レジ袋の有料化が始まりますね。

【中嶋】
今回の規制では、すべての小売店で提供されるプラスチック製レジ袋を対象として有料化がされるようです。しかし、有料化の対象にならない例外があります。
例外になるのは主に、「厚さが50 μm以上で二次利用が可能なレジ袋」、「バイオマスプラスチックが25%以上配合されているレジ袋」、「海洋生分解性プラスチック100%で作られたレジ袋」です。

【田中】
先日50 μmのレジ袋を購入して触ってみました。通常のものよりしっかりはしていましたが大きな差は感じませんでした。二次利用するかというと疑問が残ります。

【中嶋】
そうですね。二次利用するならむしろ有料にした方がいい。バイオマスプラスチックが25%配合されたレジ袋も、75%は従来の石油由来のプラスチックですから、環境中に漏れでると結局分解されません。
有料化の対象外になる分厚いレジ袋にしろ、バイオマス配合にしろ、いままでよりは仕入れコストがかかりますので、無料になることは少ないと予想しています。ただ、有料化の価格設定も1枚1円以上となっており、仮に2、3円にしても多くの人が購入をためらうようなものではありませんから、全体的に環境対策としては不十分ではないかなと思います。ちなみにカリフォルニアではレジ袋は10セント(約11円)、イギリスでは10ペンス(約13円)します。

【田中】
私も2円や3円であれば、マイバックを車に忘れた場合でも取りにいかずレジ袋を買ってしまうと思います。これでは削減が進むとはあまり思えませんね。
私たちは、紙製品のメーカーとして、プラスチックを紙に代替するのがいいと考えています。

【中嶋】
私も紙への代替は良いと思います。紙袋をなるべく普及させていただきたいですね。
私がカリフォルニアに在住中に現地ではレジ袋の無料配布禁止法案が可決されました。二次利用できる分厚いプラスチック製のレジ袋を買うか、紙袋を使うことになりましたが、環境意識の高いスーパーには紙袋しか置かれていませんでした。

【田中】
外国だと取手のない角底袋を抱えているイメージがありますね。ファッション誌をイメージしても、モデルが紙袋を小脇に抱えているものはよく見ますが、ポリ袋を抱えていることはまずないですよね。紙袋はおしゃれということをアピールして普及につなげたいです。

使い捨て文化からの脱却

【中嶋】
高級感を出したいときはプラスチックを使いませんよね。
紙製品をプラスチックの代替品として普及させるには。環境への負荷が少ないことを明確にアピールすることが非常に重要だと思います。例えば、紙製品を多く使うと森林の伐採につながるという意見が出てくるのは自然な動きでしょう。

【田中】
確かにそのようなご意見をいただく場面は多いですね。
しかし、紙の原料である樹木は、日本でいえば高度経済成長期の時期に産業目的で植樹されてから50 , 60年経過し、収穫期を過ぎて老木になってきています。若いうちには成長の為光合成を多く行い二酸化炭素をたくさん吸収する樹木も、老木になれば成長が止まり光合成が減ることで、呼吸する割合が勝ってくるため二酸化炭素の排出量が増えていきます。計画的に木を収穫し、苗木を植えて育てることで、健康的な山里を維持することにつながります。
紙製品を多く使うことで、原料である木を育てる林業の活性化につながり、ひいては環境の改善に貢献できると考えています。

【中嶋】
有効利用できていない森林資源はたくさんありますからね。
もう一つ注意しなければならないのが、現在使われているプラスチック製レジ袋のすべてを紙袋などのバイオマス系に変えることはできないということです。生産量が追い付かないことはもちろんですが、現在使用されている量をすべてバイオマスに変更すれば、必ず森林が減っていきます。
全てをバイオマスで補うのではなく、まずは使い捨てプラスチックの使用量を減らした上でどうしても使うものを、紙などのセルロース系やバイオマスプラスチックに置き換えていくことが重要だと思います。
医療や衛生面、食料面でも、プラスチックがなければ立ち行かないものはたくさんあります。プラスチック製品すべてをなくすのではなく、最も大きな問題である使い捨てプラスチックを減らしていくこと、使い捨て文化からの脱却が必要だと考えています。
【田中】
まずは使い捨てをやめることと、プラスチックでなければならないところ、紙製品に代替できるところを見極め、バランスよく付き合っていくことが大切なんですね。使い捨て文化からの脱却と、紙製品への代替を併せて訴求出来るようなプロモーションがをしていきたいと思います。

今回は、7月から始まるレジ袋の有料化について、紙製品によるプラスチック製品の代替についてディスカッションしました。最終回の次回は、実際にどのようなものが紙製品に置き換えられるか、意見を交わしていきたい思います。次回もよろしくお願いします。

【中嶋】よろしくお願いします。


中嶋 亮太
国立研究機関法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 研究員・博士(工学)

2009年創価大学大学院を卒業後、同大学助教、JAMSTECポストドクトラル研究員、米国スクリップス海洋研究所研究員を歴任。2018年より、JAMSTECに新設された海洋プラスチック動態研究グループに在籍し、海洋プラスチック汚染について調査研究を進めている。プラスチックをなるべく使わない生活を提案する人気ウェブサイト「プラなし生活」https://lessplasticlife.com/の運営も務める。
著書『海洋プラスチック汚染 ―「プラなし博士、ごみを語る」』(株式会社岩波書店)の中で、近年深刻な汚染問題が浮き彫りになってきた海洋プラスチックごみについて、現状や研究状況を分かりやすく伝え、プラスチックごみの発生を最小限にする社会を提唱している。


□■□次回□■□
第5回 プラから紙への代替②


【対談企画】「プラなし博士」に聞く。環境問題のホント。(全5回)
第1回 プラスチックと海洋汚染
第2回 バイオマスプラスチック
第3回 生分解性プラスチック
第4回 プラから紙への代替①
第5回 プラから紙への代替②

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