キャンプコーディネーター こいしゆうか | 〝便利〟を手放して見える世界
キャンプへのこだわり
おすすめのキャンプ道具を教えてください。
まず1つ目は「森の着火剤」です。
森の着火剤
よくあるチューブ状の着火剤は匂いがきついのですが、これは木屑でできているので着火するときに匂いがしないんです。
2つ目は「岩手切炭」。
岩手木炭
国産の間伐材を使用した切炭です。環境にも優しく、お肉も美味しく焼き上がります。ホームセンターでお得に買えるマングローブの炭は、マングローブの木を伐採したうえで船での長距離輸送をおこなっています。なので、環境にはよくないですよね。
『岩手木炭』ができるまで
最後に、これはアイテム全体に言えることなんですが、10〜20年先を見据えた良質なキャンプ道具を選ぶのがおすすめです。
こいしさんが長く愛用しているグッズ
日本メーカーが作っているものはとても耐久性が高くていいですよね。例えば、キャンプ用品の聖地と言われる新潟県の燕三条のアイテムは一生モノ。もちろん、その分安くはないですが、目の前の値段で決めずに10〜20年先を見据えて選んで欲しいです。のちのち長く使えて、エコにも繋がりますしね。
キャンプ場でのこだわりはありますか?
実際のキャンプ飯
1番のこだわりは「翌日の朝の食材は買わない」です。私の場合、夜ご飯が残ることが多いのでそれを食べたり、残らなかった場合にはフリーズドライや缶詰といった長期保存ができるものを1〜2個持っていくようにしているので、それを食べています。
意外と非日常を楽しむために食材を買いすぎてしまう方が多いんですよね。でも、それは本当にもったいないです!事前に何を食べるか決めたうえで、買い出しをしてみてください。もし「足りないかも…」という不安から多く買ってしまうのであれば、フリーズドライや缶詰を持っていくなどの工夫をしてみてください。ひと工夫で食品ロスを無くしていけると思います。
\食品ロスってなに?/
食品ロス(フードロス)|1分で学べる環境問題すごくわかります…たまにしか行かない人にとっては一大イベントなので、パーティかのように買ってしまいますよね。
1週間分くらいの食料を買っていたりしますよね(笑)それも何回もキャンプに行く中でわかって来ると思います。食べ物だけでなく、自分が1日にどのくらい水を使うかもわかってくるようになります。そういう意味では、キャンプを通して生きていくために必要な資源の量を知ることで、食品や水を大切にできます。防災に近い感覚ですね。
とても環境に配慮したキャンプをしているんですね。
こいしさんがコロナ禍に作ったコミュニティ「エポックアウトドア」
そうですね。自然の中で遊ばせてもらっているという意識があるので、自らの手で自然環境を持続させていくことを意識しています。コロナ禍にはオンライン上でコミュニティを作って、環境に配慮したギア開発を行いました。あと、アウトドアライフストアのWILD-1(ワイルドワン) とコラボをしてTシャツ作りもしています。
アウトドア業界は自然の中で活動をさせてもらっているので、自然のことや環境問題に対して他の企業よりも早くアクションを起こす必要があります。ただ、日本は後進国でとても遅れをとっているのが現状です。REIというアメリカのとても有名なアウトドアショップでは、メンバーシップになると自動的にアウトドア保護のチャリティができるという取り組みもされているんです。
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